2024年9月4日
「日蓮宗における仏壇の飾り方が分からない」「日蓮宗の仏具は何を揃えるのが正解?」
日蓮宗の仏壇を購入するにあたって、仏壇の飾り方に迷う人は多いでしょう。
日蓮上人がおこした日蓮宗は「南無妙法蓮華経」を唱えることで誰もが成仏できるという教えの宗派です。教義が独特な日蓮宗ですが、仏壇の飾り方は他の宗派と大きな違いはありません。仏具やお供え方法の伝統的マナーはあるものの、近年は新しい飾り方も柔軟に取り入れています。
この記事では、日蓮宗におけるモダン仏壇の飾り方や仏具の並べ方、お供え方法をわかりやすく解説します。
目次
- 1 日蓮宗のモダン仏壇の飾り方
- 2 本尊は仏壇中央の一番高い位置に飾る
- 3 脇侍は左に大黒天、右に鬼子母神を飾る
- 4 2段目に位牌を飾る
- 5 仏飯器・茶湯器・高月を飾る
- 6 花立・線香立て・火立て・線香差し・リンなどを配置
- 7 日蓮宗の仏具の並べ方・お供え方法
- 8 線香のお供え方
- 9 ロウソクのお供え方
- 10 ご飯のお供え方
- 11 水のお供え方
- 12 花のお供え方
- 13 リンの飾り方
- 14 過去帳の飾り方
- 15 日蓮宗の仏壇・仏具の選び方
- 16 仏壇はモダン仏壇が主流
- 17 本尊は曼荼羅の掛軸が基本
- 18 位牌は全体のバランスを考慮して決めるのが良い
- 19 仏具は仏壇の大きさとバランスで選びましょう
- 20 日蓮宗の仏壇の飾り方を理解して、毎日気持ちよくお祈りをしよう
日蓮宗のモダン仏壇の飾り方
従来の仏壇では、花立(はなたて)や火立て(ひたて)などの仏具を一対ずつ飾ることが多かったのですが、現代的な仏壇ではスペースも考慮し、それぞれ一個でも構いません。日蓮宗のモダン仏壇は以下の順番で飾りましょう。
- 本尊は仏壇中央の一番高い上段の位置に飾る
- 曼荼羅の手前に日蓮上人を飾る
- 脇侍は左に大黒天、右に鬼子母神を飾る
- 2段目に位牌を飾る
- 3段目に仏飯器・茶湯器・高月を飾る
- 下段に花立・線香立て・火立て・線香差し・リンなどを配置
仏壇の段数が4段の場合の設置例ですが段数が少なくても、手前と奥で配置を変えることで上下の順序を表現できます。以下で順に詳しく解説します。
本尊は仏壇中央の一番高い位置に飾る
日蓮宗の本尊(ほんぞん)は、曼荼羅(まんだら)と呼ばれる仏の悟りを文字で表したものです。曼荼羅はもともとサンスクリット語で「大宇宙を感覚的に表現したもの」を意味する言葉です。
より丁寧に飾る場合は、曼荼羅の掛軸の手前に日蓮上人(にちれんしょうにん)の仏像を飾ります。日蓮上人の仏像のみ飾ることは少ないため、曼荼羅の掛軸は必ず飾るのがポイントです。
脇侍は左に大黒天、右に鬼子母神を飾る
日蓮宗の脇侍は向かって左に大黒天(だいこくてん)、右に鬼子母神(きしぼじん)を飾るのが基本です。
大黒天はヒンドゥー教における戦いの神でしたが、各地の豪商が敬うようになったことで五穀豊穣・金運の神へと変化しました。日本では密教を通じて、真言宗や天台宗、日蓮宗(法華経)で信仰されています。
鬼子母神は、近隣の幼児を取って食べるような暴虐な鬼女が、釈迦の説法によって改心する話が元になっています。胸中に子を抱く天女の姿で表現され、安産の象徴であるザクロを持っているのが特徴です。日蓮聖人は鬼子母神を特に重視したと言われています。
2段目に位牌を飾る
宗派によっては位牌(いはい)を設けないこともありますが、日蓮宗では必ず設けます。位牌を飾る位置は2段目です。複数の位牌をおまつりする場合は、右側が上座になりますので古い方の位牌を右側に置きます。
位牌を選ぶときは、最上段の本尊とのバランスを考えてサイズを選びましょう。
日蓮上人の仏像の高さより位牌が大きくなってしまう場合、日蓮上人の台座の下に仏像台を使って高さを上げるやり方もあります。できるだけ超えないようにすることが大切ですが、昔からおまつりしている位牌の場合は、位牌を新しく仏壇に合うサイズやデザインに作り替えてもいいですし、多少位牌が大きくても問題ありません。日蓮宗では位牌のデザインや種類についての決まりはありません。故人のイメージに合った位牌や、仏壇の雰囲気に似合う位牌などご自由に選んでください。
仏飯器・茶湯器・高月を飾る
仏飯器(ぶっぱんき)を右側に飾り、その左側に茶湯器(ちゃとうき)を配置するのが一般的です。高月は1対でも1個でもどちらでも問題ありません。
仏飯器とはご飯を供えるときの器であり、茶湯器は水やお茶をお供えするための器です。高月はお饅頭や果物などを置く器です。
花立・線香立て・火立て・線香差し・リンなどを配置
- 花立:お花をお供えするための仏具
- 線香立て:線香を立ててお供えするための仏具
- 火立て:ロウソクを立てるための仏具
- 線香差し:線香を立てておくための仏具
- リン:読経の際に音を鳴らすための仏具
仏壇のサイズによって仏具のサイズを決めるとよいでしょう。花立は夏場、水がよく入るので花が長持ちするように大きめのものを選ぶと良いでしょう。
経机(きょうづくえ)とは、本来は経本(きょうほん)を置くための机です。しかし、現在は仏具やお供え物などを並べるときにも使用されます。
日蓮宗の仏具の並べ方・お供え方法
仏具は、本尊はもとより先祖や亡き人を供養するためのものです。お供えものは五供(ごく)と呼ばれる「香・灯明・花・水・飲食」を念頭に仏具を揃えていきましょう。お供えの仕方には基本的なマナーがあります。
- 線香のお供え方
- ロウソクのお供え方
- ご飯のお供え方
- 水のお供え方
- 花のお供え方
- リンの飾り方
上記の五具や仏具の並べ方やお供え方法を順に詳しく解説します。
線香のお供え方
日蓮宗でお供えする線香の数は、基本的に1本です。
線香をあげる前に仏壇の前で正座もしくは座って、一礼します。直接マッチやライターで火をつけるのではなく、ロウソクから火をつけましょう。
線香立ての真ん中に線香を立てたら、リンを鳴らして合掌します。最後に一礼してから下がるのがマナーです。
ロウソクのお供え方
ロウソクの灯りは供養に欠かせない大切なお供えものです。本来は左右一対で飾るのが、より丁寧なお供えの仕方です。
ロウソクの火がお参りする人の心をあたため、慰めることから「仏様の慈悲」を表しているともいわれています。
火を消すときは、手で扇ぐか専用の仏具(ロウソク消しなど)を使用し、息で吹き消すのは避けましょう。
ご飯のお供え方
朝一番に炊きたてのご飯を、仏飯器に盛りお供えします。
ご飯が冷めたら下げ、家族で分け合っていただきます。毎日のお供えが大変な方は、ご飯を炊いた日にお供えしましょう。また、月命日やお盆・お彼岸・お正月など節目にもお供えしましょう。
仏器膳(ぶっきぜん)と呼ばれる膳に茶湯器や仏飯器を乗せるとより丁寧です。
水のお供え方
水のお供えは、毎日食べ物や飲み物に困ることなく生活できていることへの感謝を意味します。
水は穢(けがれ)のない状態である「清浄(しょうじょう)」をあらわし、お茶は故人の飲み物としての意味を持っています。
毎日水を換えることで、お参りする場所を清浄な状態に保つようにしましょう。
花のお供え方
花立に飾る花は、芳香によって邪気をはらい場を清らかにする意味があります。
できるだけ生花が良いのですが、現在では水やり不要の造花やプリザーブドフラワーでのお供えも人気です。
花をお供えする際は、花が開いている方を自分の方へ向けます。上から下に向けて薄い〜濃い色となるように飾ると全体のバランスが安定し美しく見えます。
リンの飾り方
リンは一般的に仏様に線香をあげ、手を合わせる際の合図として使われる仏具です。
リンの音は、空間を清めて邪気を払うとされています。
飾る位置としては鳴らしやすい位置が良いでしょう。
リン棒を人差し指と親指でつまむように持ち、リンの縁を外側もしくは内側から優しく叩きます。
過去帳の飾り方
過去帳とは、故人の戒名や没年月日などを記した、どの宗派も使用する仏具です。
日蓮宗も他の宗派と同様に、見台(けんだい)と呼ばれる台座の上にのせて、飾るのがが一般的です。
日蓮宗専用の過去帳は、宗紋やお題目が記載されています。
過去帳を開き故人を偲びながら、手を合わせましょう。
日蓮宗の仏壇・仏具の選び方
現代では特に必要な仏具類だけでお祀りするケースが増えています。仏壇・仏具の選び方のポイントは以下の通りです。
- 仏壇はモダン仏壇や唐木仏壇がベース
- 本尊は曼荼羅の掛軸が基本
- 位牌は全体のバランスを考慮して決めるのが良い
- 仏具は仏壇の大きさに合わせて選びましょう
日蓮宗の仏壇・仏具の選び方を詳しく見ていきましょう。
仏壇はモダン仏壇が主流
日蓮宗の仏壇に金仏壇が使用されることはほとんどなく、今はモダン仏壇が多くなっています。
仏間を設けるスペースがないなど、今の住環境に適応するかたちで誕生したのがモダン仏壇です。
モダン仏壇の素材は、家具や住宅建材にもよく使われるホワイトオークやメープル、ウォールナットが使われています。
仏壇大はしでは、モダン仏壇・唐木仏壇も販売しております。予算に合わせて幅広い種類を用意しているので、ぜひホームページをご覧ください。
本尊は曼荼羅の掛軸が基本
日蓮宗の本尊は「曼荼羅(まんだら)」の掛軸を飾るのが基本となります。曼荼羅とは、仏の悟りを文字で表したものをいいます。脇侍は向かって左に大黒天(だいこくてん)、右に鬼子母神(きしぼじん)となります。
掛軸の前に日蓮聖人の木像や、さらに三宝尊を飾る場合もあります。脇侍である大黒天と鬼子母神を掛軸にする際には、掛軸が曼荼羅よりも大きくならないようにしましょう。
位牌は全体のバランスを考慮して決めるのが良い
唐木仏壇には伝統的な、モダン仏壇には現代的なデザインの位牌を選ぶ人が多いようです。
位牌の大きさに決まりはありません。仏壇のサイズとのバランスをみて選びましょう。
すでに持っている位牌をまつる場合、大きさが合わなければ作り直すのも良いでしょう。
私たちも、洋服のサイズが合わなくなったり汚れると新しくするように、位牌を作り直す事は決して悪い事ではありません。
仏具は仏壇の大きさとバランスで選びましょう
仏壇に必要な仏具はたくさんあります。まずは、必要な物から揃えましょう。
本尊・位牌・花立・火立て・線香立て・仏飯器・茶湯器・リン。ここまでは必ず必要になるので揃えると良いでしょう。
他には、過去帳・見台・経机などはあればより丁寧におまつりできる仏具ですので必要に応じてお求めください。
日蓮宗の仏壇の飾り方を理解して、毎日気持ちよくお祈りをしよう
日蓮宗仏壇の飾り方を紹介しました。基本マナーも大事ですが、重要なのはお参りをする心がけです。毎日気持ちよくお祈りをしましょう。
現在は仏壇の選択肢がかなり増えています。品質・デザイン性に長けた仏壇を取り扱っている仏壇専門店で、実物の質感や色を自分の目で確認するのがおすすめです。
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