2024年7月19日
「真言宗の仏壇はどれを選ぶの?」
「真言宗の仏壇の飾り方が分からない」
「真言宗の仏具は何を揃えるのが正解?」
特に初めて仏壇を購入する人にとって、どの仏壇や仏具を用意してどのように飾ればよいかは悩みの種です。
真言宗は比較的決まりごとが少ないといわれていますが、他の宗派と同様に基本的な飾り方があります。この記事では、真言宗におけるモダン仏壇の飾り方・唐木仏壇の飾り方を写真付きで解説します。仏壇の飾り方のポイントを知りたい人は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
真言宗のモダン仏壇の飾り方
花立や火立てが1個ずつ、鳴物はリンを使用するのが一般的です。真言宗のモダン仏壇では以下の順番で飾っていきます。
- 本尊を最上段仏壇中央の位置に飾る
- 本尊の左側に「不動明王」を、右側に「弘法大師(空海)」を飾る
- 二段目に位牌を飾る
- 三段目に茶湯器・仏飯器・高月を飾る
- 最下段に花立・線香立て・火立て・線香差し・リンを飾る
飾り方のポイントを詳しく見ていきましょう。
STEP1 :本尊を仏壇中央の一番高い位置に飾る
本尊とは、その宗派で最も重要とされている信仰対象です。重要さを際立たせるため、仏壇最上段の中央に飾ります。
真言宗の本尊は「大日如来」と呼ばれ、「大日」は大きな太陽「如来」は完全な人格者を意味します。すべての仏は大日如来が形を変えたものとされます。
本尊は仏像タイプと掛軸タイプがありますが、仏壇のサイズやデザインに応じてどちらを選んでも問題はありません。
STEP2 :本尊の左側に「不動明王」を、右側に「弘法大師(空海)」を飾る
脇侍(わきじ)とは、本尊の両脇につき添い補助する役割があります。宗派によって本尊と脇侍は変わるため、宗派ごとに確認が必要です。
真言宗の仏壇においては本尊の向かって左側に「不動明王」、右側に「弘法大師(空海)」を飾ります。本尊と合わせて、3つの掛軸または木彫りの仏像で祀ります。
真言宗の寺院がすべて中央「大日如来」、脇侍「弘法大師、不動明王」で祀っているわけではなく、寺院によって違う仏様を祀っている場合もあります。必ずこうしないといけないという事はありませんが、一般的な真言宗の本尊の基本は上記のような形になります。
STEP3 :上から二段目に位牌を飾る
位牌(いはい)とは、故人の戒名(法名、法号)と没年月日・俗名・行年(享年)を記した木の札です。位牌を飾らない宗派もありますが、真言宗は位牌を飾る宗派です。
真言宗では、人が亡くなると、四十九日目の法要である満中陰(まんちゅういん)までに位牌を作ります。位牌に刻む人数は一人彫り(一人用)と夫婦彫り(二人用)があります。位牌を飾る位置は、仏壇の上から2段目です。位牌の位置は、本尊の目線の位置より位牌の最上部が下にあることが理想です。
位牌が2個以上ある場合は、古い方を上座である向かって右はしに飾りましょう。位牌の大きさは基本的に仏壇のサイズに合わせることが多く、最近のモダン仏壇に納めるサイズとしては4.0寸が一番多いサイズです。ご先祖の位牌がすでにある場合は、その位牌と同じか少し低いものを選びます。位牌サイズの「寸」は位牌の総高ではなく、札板(文字を書く部分)の高さを指しています。
STEP4:三段目に茶湯器・仏飯器・高月を飾る
三段目には茶湯器(ちゃとうき)と仏飯器(ぶっぱんき)、高月(たかつき)を飾ります。茶湯器はお水やお茶を供える仏具、仏飯器はお供え用のご飯を盛る仏具、高月はお菓子やまんじゅうなどの供え物をのせる仏具です。
最下段には向かって左に花立(はなたて)、右に過去帳(かこちょう)と見台(けんだい)を飾ります。花立は花瓶の役割をする仏具、過去帳は故人の生前名や戒名や死亡年月日を記したものです。過去帳は見台に乗せて使います。
STEP5:最下段に花立・線香立て・火立て・線香差し・リンを飾る
真言宗のモダン仏壇の最下段には、花立、線香立て・火立て(ひたて)・線香差し(せんこうさし)・リンなどを飾ります。
- 花立:花を供える花瓶
- 線香立て:線香を立てる器
- 火立て:ロウソクを立てるための器
- 線香差し:線香を小出しに立てておく器
- リン:読経の際に音を鳴らす鳴物
経本を置くための机である経机(きょうづくえ)があれば、その上に線香立てや火立てを配置するとゆったり置けるので安心しておまつりできます。
真言宗で最適な仏壇の向きは?
宗派ごとに最適な仏壇の向きがあります。真言宗は「本山中心説」を推奨しているため、体の正面が宗派の総本山である金剛峯寺に向くよう配置するのが良いとされます。
とはいえ、真言宗の場合はそこまで厳密ではないため基本的にどの向きでも問題ありません。むしろ直射日光や湿気で仏壇が劣化しやすい場所を避けた方がいいですし、家族が集まる場所に置くのもいいでしょう。
真言宗の唐木仏壇における仏具の並べ方・お供え方法
唐木仏壇とは、希少性の高い銘木を使用して作られた伝統的な仏壇の総称です。飾り方も伝統に則って、モダン仏壇と比べ多くの仏具を使います。大きな違いは、灯篭や瓔珞の有無です。
唐木仏壇では、天井や屋根から吊り灯篭や瓔珞を吊るします。吊り灯篭には明かりをともします。
仏壇は、本尊や先祖、亡き人を供養するためのものです。本来の役割を果たすためにも、略式的なモダン仏壇の飾り方だけでなく、伝統的な仏具の並べ方やお供え方法はぜひ覚えておきましょう。
線香のお供え方
線香をお供えすることは、仏になった故人と心を通じ合わせる意味があります。真言宗は線香を3本立てる宗派です。
まずは軽く仏壇に一礼をしてロウソクに火を灯し、ロウソクの火を線香に移します。勢いよく燃える線香の火を息で消すのはタブーとされているため、手であおいで消しましょう。
仏壇の前で線香をあげる際は、故人に話しかけ気持ちを伝えることが大事です。線香の香りには仏様や故人に対するごちそうの意味合いがございます。
ロウソクのお供え方
仏の智慧である灯りが暗闇を照らし導くという考えから、ロウソクの灯りも大切なお供え物です。火は燃え尽きて消えることから、無常を表しているともされます。
ロウソクは左右一対で飾るのが、より丁寧なお供え方法です。2つの灯りはそれぞれ「自灯明:自分を信じること」「法灯明:真理を頼りにすること」を意味します。
花のお供え方
花をお供えする場合は、満中陰までは白い花が使われることが多いですが色のついた花でも問題ございません。最近は故人の好きだった花をお供えしたり、性別や年齢に合わせて青やピンクなどの色を加えることもあります。
ただし、毒やトゲのあるもの、匂いが強い花はマナー違反となるため避けるのが無難です。
水のお供え方
水やお茶は、仏壇の中央にお供えします。故人は常に喉が渇いている状態にあると考えられているからです。
飲食に困ることなく生活できていることへの感謝を示す意味もあります。毎日お供えをして先祖に感謝の気持ちを伝えましょう。
ご飯のお供え方
毎日のお供えは、水やお茶に加えごはんもお供えします。ご飯は仏壇中段の右側にお供えしましょう。お参り前に、炊き立てのご飯を仏飯器(ぶっぱんき)と呼ばれる仏具に盛るのが基本です。高月にはおまんじゅうや果物などをお供えします。
毎日お供えが大変な場合は、月命日やお盆・お彼岸・お正月など節目にお供えしましょう。
膳は一回忌や三回忌などの年忌やお盆、春秋のお彼岸などの大切な時にお供えします。仏壇にはたいてい、引き出せる仏具棚が付いているため、そちらにお供えします。箸は仏様の方に向けて配置します。
リンの並べ方
リンを飾る位置は、右手で鳴らす際に打ちやすいよう仏壇最下段の右下の手前が一般的です。お経机がある場合はお経机の上でもいいですし、そのまま畳の上に置いても問題ございません。リンの下には良い音色が響くためにリン布団がついています。
真言宗の仏具の選び方
真言宗の仏具選びはそこまで厳密ではありませんが、以下の基本的な仏具の選び方も参考にしてみてください。
- 本尊・脇侍は、仏像または掛軸を飾る。
- 位牌は本尊の高さに対して7~8割程度がベスト
- 仏具は仏壇の大きさに合わせましょう。
それぞれ詳しく解説します。
真言宗の仏壇はモダン仏壇や唐木仏壇が主流
真言宗の仏壇は黒檀や紫檀で作られた唐木仏壇が一般的ですが、最近ではモダンタイプの仏壇が主流になっています。モダン仏壇は「家具調仏壇」「都市型仏壇」「リビング仏壇」などとも言われ、現代の住環境にマッチしています。
対して唐木仏壇は、黒檀や紫檀など希少性の高い銘木を使用して作られた昔ながらの仏壇です。戦後の復興とともに全国に普及しました。
モダン仏壇は飾り方がシンプルなため、初めて仏壇を購入する人におすすめです。加えてデザインも現代風なことから、洋室に設置しても違和感がなく取り入れやすいでしょう。
本尊・脇侍は仏像または掛軸を飾る
本尊や脇侍は仏像タイプと掛軸タイプがあります。仏像にしろ掛軸にしろ、脇侍は本尊よりも高くならないサイズを選びましょう。
仏像を選ぶ際は台座があるものや光背(光明を表したもの)を背中につけている場合があります。仏壇の大きさにマッチするかも確認しましょう。
仏像の高さや奥行、幅も事前に調べておくと、仏壇の天井や奥の壁にぶつかり入らないという事態を避けられます。一度仏壇の中に仏像や掛軸を飾ってあるのを仏壇店で実際に見て、拝むときの目線や仏壇の中で仏像や掛軸の大きさが適当か確認するのが良いでしょう。
位牌は本尊の高さに対して7~8割程度がベスト
昨今はコンパクトな仏壇が増えており、買い替えなどでは位牌が新しい仏壇の中に入らないケースも考えられます。
本尊をしっかり祀ることが優先されるため、位牌は本尊の高さに対して7~8割ほどの高さがベストサイズです。
位牌を選ぶ際には、仏壇の中の広さや高さを事前に測っておくとよいでしょう。
仏具は仏壇の大きさに合わせて決める
真言宗の仏具は、「三具足」(花立・線香立て・火立て)もしくは火立てと花立が対となる「五具足」にリンを付け足したものが基本です。
三具足は向かって左側から花立→線香立て→火立ての順で飾り、五具足は火立てと花立が対になるように花立→火立て→線香立て→火立て→花立の順に飾ります。
五具足が正式な仏具の飾り方ですが、仏壇の大きさによっては三具足しか飾れない場合もあります。仏具は仏壇サイズを考慮して選びましょう。
真言宗における仏壇の飾り方を理解して、毎日気持ちよくお祈りをしよう
現代ではモダン仏壇で初心者でもシンプルかつ簡単に仏壇を飾れるようになりました。より本格的に飾りたい場合は、唐木仏壇や金仏壇を購入してもよいでしょう。
仏壇を購入する際は、ぜひ実物をご覧になってからお選びください。仏壇大はしでは、他店でよくある入店後すぐにスタッフが横につくことはありません。お客様からの説明希望があって初めてスタッフが横につかせていただくため、お客様の気の向くままに仏壇をご覧いただけます。
さらに、仏壇大はしは奈良県一のモダン仏壇の品ぞろえを誇り、大手仏具店の同モデルと比べて20~30%の低価格を実現しています。仏壇や価格はHPですべて公開しているため、ぜひ仏壇大はしで価格の違いを実感してください。