金仏壇、黒檀や紫檀仏壇の修復や費用は?仏壇の修理方法、リフォーム、クリーニングを写真、動画付きで解説 

2025年8月14日

金仏壇、黒檀や紫檀仏壇の修復や費用は?仏壇の修理方法、リフォーム、クリーニングを写真、動画付きで解説 

「金仏壇は修理できるの?」「30年前に買った黒檀仏壇が汚れてるので年忌に合わせてリフォームしたいんだけど」「修理したら紫檀仏壇は新品のようになる?」

「掃除をしても仏壇の汚れがとれないのでクリーニングしてほしい」「線香の煙で金箔がくすんでいるのできれいにしたい」

長年、仏壇を使用していると線香の煙で金箔がくすんだり、ほこりや仏花の花粉、供えたごはんやお水の跡などで汚れてきたりします。ご先祖から受け継いだ大切なお仏壇はきれいな状態にしておきたいと思われる方も多いと思います。では仏壇をきれいにする場合、どのような方法があるのか、いくらくらい費用がかかるのかなど説明していきたいと思います。

仏壇をきれいに修復する場合、仏壇のタイプにより修復方法が変わります。仏壇には大きく分けて3つのタイプの仏壇があり、素材や製造方法、デザインがなどが変わりそれによって修復内容が変わります。

仏壇には3つのタイプがある

①金仏壇・・・杉やヒノキに漆で黒塗りに塗装し金箔や蒔絵、金具を使う仏壇

②唐木仏壇・・・黒檀や紫檀などの希少な銘木を使用して作る仏壇

③モダン仏壇・・・ウォールナットやタモを使用し、彫刻のない現代のインテリアにあう仏壇

この記事では、仏壇のタイプ別の修復方法の中で金仏壇唐木仏壇の修復についてを説明します。仏壇の修復に必要な費用や修復期間、どのような修理作業で、どのような工程で進めていくかなどを写真や動画付きで説明しますので、ぜひ最後までご覧ください。

修復(リフォーム)には「部分的な修理」「クリーニング」「完全修復」がある

修復(リフォーム)には3つの方法があり順に説明します。例えば金箔や黒塗り部分がはがれたとか、彫刻が欠けたなど傷んだ部分をピンポイントで修理する「部分的な修理」や、仏壇全体につもったほこりや汚れを落とす「クリーニング」などがあり、こちらは費用も比較的安く、納期も短くて済みます。

10年から30年の経過の仏壇には「部分的な修理」「クリーニング」

比較的購入されてから年数が浅い10年~30年ぐらい経過した仏壇に一番有効な方法です。

傷みが全体的でなく汚れがそれほどひどくない場合は、傷んだ部分だけの修理やクリーニングが効果的です。日頃、自分では掃除できない部分にも手を入れてきれいに汚れや積もったほこりなどをふき取っていきます。

修理はクリーニングと部分修理を合わせて依頼することも可能です。ただ彫刻の一つが落ちた程度でしたらご自身で木工ボンドでつけても頂いても問題ありません。

仏壇のクリーニングとは?

仏壇のクリーニングは持ち帰って工場ですることもありますが、一般的にお客様の家でクリーニングが行われることが一般的です。そのため、家の中でシートや毛布を敷いてその上に仏壇を移動して普段、掃除することができない仏壇の天井や側面、裏面、引き出しの内側などもきれいに何度もふきあげていきます。

仏壇が仏間に収まっている場合は仏間から出してする場合と、収まった状態でおこなう場合があります。当然、仏間に収まった状態のままだと、手の届く範囲が限られます。

仏壇クリーニングの費用と納期は?

金額的にも部分的な修理やクリーニングは傷み具合や、汚れの程度、仏壇のサイズにもよりますが通常数万円程度からでき、納期はクリーニングで2時間程度から数日で仕上がります。

  • 仏壇の修復には「部分的な修理」や「クリーニング」がある
  • 金額は作業の内容によるが数万円程度~が目安。
  • 作業時間はクリーニングで2時間程度~数日かかる。

30年経過した仏壇を新品に戻すには「完全修復」

30年以上経過し、傷んだお仏壇に新品同様の輝きを取り戻す方法として「完全修復」があります。こちらは仏壇を分解し、全ての部品を洗浄や、修復、塗装する本格的な方法で部分的な修理やクリーニングに比べると費用や時間がかかります。

仏壇完全修復の費用と納期は?

費用は仏壇の大きさや傷み具合によって様々ですが数十万円~で、大きな金仏壇の場合は百万円以上かかることもあります。黒檀や紫檀などの唐木仏壇と金仏壇と比べると金仏壇の方が金箔を使用したり手の込んだ細工が多い分費用が高くなります。修復期間は内容にもよりますが一般的に2~4ケ月必要になります。仏壇の傷みが激しい時や工場が忙しい期間はもう少し時間がかかる場合もあります。

  • 新品同様に戻すには完全修復をする
  • 完全修復の費用は仏壇のサイズにもよるが数十万円~。
  • 完全修復の修復期間は2~4ケ月必要。

仏具も仏壇にあわせて修復

仏壇の中に飾っている仏具もできれば一緒に修復しましょう。仏具の中には修復した方が良いものや、場合によっては新しく買い替えた方が安くいいものがある場合もあります。そのまま掃除だけして使えるものもありますし、金属の仏具は金メッキ修復や磨き直しなどすると見違えるようによくなるものもあります。仏具に合わせておこないましょう。

  • 金属の仏具は金メッキ修復や磨き直しできれいになる
  • 仏具は修復すれば良いものと買い替えた方が安くて良い場合がある
  • おりんは磨き直しで美しくなります

仏像は大切に修理して子や孫に伝える

仏壇の中に木彫りの仏像がある場合、出来る限り修理して子孫に受け継ぎましょう。その仏様は今まで守り本尊としてあなたの家族を守ってくれた大切な仏様です。どうしてもサイズ的に合わない場合は仕方ありませんが、できるだけその仏像をまつり続けることをおすすめします。仏像の修理にも新品のようにする完全修復と壊れた部分だけを修復して汚れを落とす古色修復があります。

完全修復はお魂抜きとお魂入れが必要

完全修復は仏壇を持ち帰り工場で作業するので、寺院による「お魂ぬき」が必要になります。仏壇が家にない期間は、家の中でどこか拝む場所を作って、そこに机などの台を置き仮の祭壇として位牌や、過去帳などを並べて手を合わせるとよいでしょう。

修復がおわって仏壇が家に戻ったら寺院に「お魂入れ」または「開眼法要」「入仏慶讃法要」と呼ばれる本尊に魂を入れる法要を行っていただきます。これが済んで初めて掛け軸や仏像などのご本尊にお魂が入り正式にお参りする信仰の対象となります。

  • 仏壇を移動する前に「お魂抜き」を寺院に依頼する
  • 仏壇がない期間は仮の祭壇を作って位牌や過去帳などをまつる
  • 仏壇の修復が完成すると「お魂入れ」「開眼法要」を行う

完全修復は新しい仏壇を作る時と全く同じ工程で仕上げますので、仕上がり後は新品か、修復後か区別がつかない状態まできれいに美しくなります。

修復に出すタイミングはいつが良い?

ところで修復に出すタイミングですが一番多いのが1回忌や3回忌、7回忌などの年忌(法事)を迎える前に修復する場合が多く、他には家を新築する、増改築する時に依頼される場合もあります。この場合の注意点は新築や増改築は家の工事のほうが、時間がかかることが多く、仏壇が先に仕上がっても家に設置できないので、依頼する仏壇店に家の工事が完成するまで預かってもらえるか、確認することが必要です。

新しく仏間を作る時の注意点

また、新築の場合などで仏間のサイズを決めるのに仏壇の高さ、下台幅、奥行きなどが必要になります。修復で仏壇をもってかえってもらう前にメモしておきましょう。新しく仏間を作る際に特に注意しておきたい一番のポイントは仏間の幅です。仏壇の扉がきれいに開いているかが仏壇がよく見える大切なポイントです。仏壇の扉を開いた時のちょうどよい幅を確認して工務店さんや大工さんに伝えましょう。

もう一つのポイントは吊り灯篭やダウンライトのための電源のコンセントをつけることです。コンセントをつける位置は、出来るだけ手前につけましょう。何十年もたてば、照明器具が故障する場合も考えられます。その時にコンセントが手の届きやすい位置にあると修理しやすくなります。

修復は仏壇を購入後、何年経過したら必要?

仏壇の修復は傷み具合や汚れ具合にもよりますが、購入後30年経過する頃から依頼されることが多いです。きれいな状態で長く仏壇を使いたいと思う方は30年~50年程度のほどほどのタイミングで依頼されるのがよろしいでしょう。あまり傷みが激しくなると修復する時に新品を買う以上に費用がかかることがあります。

  • 完全修復に出すのは購入後30年~50年が目安。
  • 完全修復は傷みすぎると新品購入より費用がかかる場合がある。

これから完全修復の作業工程を順番に説明します。1番最初は解体から始まります。

仏壇の解体

扉やランマ、屋根、金具などの仏壇の部品を順番にはずしていって最終的に全て部品の状態まで解体します。

すべての部品を解体するとこれだけの部品点数になります。

ここまで仏壇を分解して解体は終了です。次はすべての部品を塗装する前の木地を整えるために傷んでいる部分を修理したり部品の表面を磨いて滑らかにする研磨作業をしていきます。

仏壇の木地修復、研磨

木地修復、研磨作業は下地を整える大切な作業です。この作業が次の工程の塗装をした後の仕上がりを左右します。割れてしまった部分をパテで埋めてから表面を手作業でペーパーで磨いていきます。

唐木(黒檀、紫檀)仏壇の塗装

木地修復が終わると次は塗装工程に入ります。黒檀や紫檀の唐木仏壇の場合、すべての部品に吹き付けていきます。その後、乾燥室で乾燥させます。部品を塗装して乾燥させ同じ部品に2回目の塗装をする際には研磨作業をします。この塗装→乾燥→研磨を繰り返します。

金仏壇の塗装

金仏壇は下地塗りや中塗り、上塗りをおこない黒塗りに仕上げていきます。塗っては乾燥させてから磨くという繰り返しは、唐木仏壇も金仏壇も同じです。塗り重ねることで表面が固く強くなっていきます。

仏壇の金具

錆を手作業で磨いて落とし、ゆがみなどがある場合はたたいてなおします。金具を保護して長持ちさせるために表面塗装します。金仏壇の金具の場合、本金メッキや漆で着色してから高温で焼き付け塗装する場合もあります。

唐木仏壇の紗、金紙

仏壇の正面の板に金紙を張り、障子の組子には紗(しゃ)を張ります。金紙や紗は新しいものを張り替えます。

金仏壇の本金箔押し

金仏壇は塗り重ねた上から本金箔を押して(はること)いきます。扉の内側や側面、正面などは一枚一枚丁寧に金箔のラインがまっすぐなるように押します。彫刻などの細かい部品や面などの繊細な部分にもきちっと溝にまで埋まるように何枚も金箔を重ねて押します。

金仏壇の蒔絵、彩色

手作業で一つ一つ職人が筆で繊細な模様を描いていきます。仏壇に使われる図柄はたくさんあり、亀甲模様、蓮や桜、花鳥図柄や御所車、清水寺や金閣寺などもよく描かれます。

仏壇の組立

最後に仕上がった部品を順番に組み上げ、扉や障子は金具やネジでとめていきます。仏壇の完全修復の作業は、新しい仏壇を作る時と同じ工程をしますので最終的な仕上がりは新品と見分けのつかない新品同様のレベルになります。

仏壇の修復内容や費用は仏壇大はしのホームページでご覧頂けます。

仏壇大はしのホームページで仏壇の修復価格の目安をわかりやすく提示しています。ぜひ仏壇の修復をお考えの方は参考にしてください。お見積もりの依頼もホームページからできますので、お考えの方はご依頼ください。仏壇大はしでは仏壇修復工場で熟練の職人が心を込めてお客様の大切なお仏壇を修復させていただいています。年忌や家の増改築に合わせてお考えの場合は、最長1年間無料で修復後のお仏壇をお預かりしています。最後までご覧頂きありがとうございます。

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