仏像は修理できるの?仏壇の中の古い仏像は修復できるの?修理方法を詳しく解説します。 

2025年10月10日

仏像は修理できるの?仏壇の中の古い仏像は修復できるの?修理方法を詳しく解説します。 

「古い仏像は修理できるの?」「昔から仏壇の中にある仏像が線香のけむりでくすんでいる」「手の指が欠けてなくなっていて仏様に申し訳ない」

「仏壇を買い替えたいけど古い仏像ってそのまま使っていいの?」「小さい仏壇に交換したいけど昔からある仏像が大きくて新しい仏壇に入らない。どうすればいい?」

先祖代々拝んでいる仏像が仏壇の中にあってさわるのも傷めてしまうと怖いのであまり掃除できず、長年、線香の煙やでくすんだり、場合によっては手の指が欠けてなくなっていたり、仏像の部品が落ちたりしてどうしようかと悩んでおられる方も多いと思います。ご先祖から受け継いだ大切なお仏像はきれいな清潔な状態でおまつりしたいものです。

では仏像をきれいにする場合、どのような方法があるのか説明していきたいと思います。ただ仏像は何十年もおまつりするものですし、状態はひとつひとつ様々で、大きさや傷み具合も違うので現在の仏像の状態にあった修復方法を説明したいと思います。

仏像をきれいに修復する場合、傷み具合によって大きく分けて3つのタイプの修復方法があります。

仏像の修復には3つの方法がある

仏像の修復(リフォーム)には「部分修理」「素洗い」「完全修復」がある

①部分修理・・・指や足など欠けた部分のみを修理

②素洗い(すあらい)古色修復・・・全体を特殊な薬品を使って洗い流す。線香のすすやこびりついた汚れを落とす。

③完全修復・・・新品の状態に再現する。バラバラに解体して再度組みたてる。

この記事では、仏像の状態にあった修復方法を大きく3つに分けて説明します。仏像の修復に必要な費用や修復期間、どのような修理作業で、どのような工程で進めていくかなどを写真や動画付きで説明します。

①仏像の部分修理

部分修理とは仏像の手の指が折れているとか、光背の挿し口が折れて光背がまっすぐ立たないとか、蓮華の彫刻が欠けているなど傷んだ部分をピンポイントで修理することを言います。傷んだ部分以外ほかの部分をきれいにしたりするこはありません。こちらは費用も比較的安く、納期も短くて済みます。指を作り直したり光背の挿し口を修理したりする程度でしたら数万円~で費用は作業の量にもよります。納期は数週間見ておけば大丈夫でしょう。

②素洗い(すあらい)古色修復

線香の煙で汚れた仏像を特殊な薬品を使用して筆で少しづつ汚れをおとしていきます。少しづつ何度も時間をかけて数十年間こびりついた汚れをおとし洗浄していきます。この方法は汚れの下に金箔が残っている場合は見違えるようにきれいになります。

破損した部分は新しく木製の部品を作り直したりします。表面のひび割れは、膠(にかわ)や木くずを混ぜたコクソや接着するための材料をつめて割れてこないように修理します。光背の挿し口がぐらついている場合は挿し木をしたり、仏像が全体に傾いている場合は、下台から通っている心棒を補強したり、作り直して安定させます。

基本的に素洗いは①の部分修理を含むことが一般的です。

③完全修復

この修復方法は文字の通り購入された新品のような状態に戻す修復方法です。仏像を湯の中につけて表面の古い膠をおとし解体してバラバラにします。乾燥させて木地の傷んでいる部分を修復します。木地修理が終わると次は仮組みします。次に下地塗り、中塗り、上塗りなどの塗装をします。塗装がおわると金箔を貼っていきます。阿弥陀如来や釈迦如来、大日如来の場合、全体は金箔で仕上げ、その上から顔や胸元の肌の見える部分は肌粉仕上げと言って金粉をまいて仕上げます。最後に彩色をほどこします。頭を群青色に塗り、衣を描いたりお顔の目や眉毛、ひげなどを書きます。

仏像は大切に修理して子や孫に伝える

仏壇の中に木彫りの仏像がある場合、出来る限り修理して子孫に受け継ぎましょう。その仏様は今まで守り本尊としてあなたの家族を守ってくれた大切な仏様です。どうしてもサイズ的に合わない場合は仕方ありませんが、できるだけその仏像をまつり続けることをおすすめします。

仏像修復はお魂抜きとお魂入れが必要

仏像修復は仏像を持ち帰り工場で作業するので、寺院による「お魂ぬき」が必要になります。仏像が家にない期間は、位牌や、過去帳などを並べて手を合わせるとよいでしょう。

修復がおわって仏像が家に戻ったら寺院に「お魂入れ」または「開眼法要」「入仏慶讃法要」と呼ばれる本尊に魂を入れる法要を行っていただきます。これが済んで初めて仏像にお魂が入り正式にお参りする信仰の対象となります。

  • 仏像を修理する前に「お魂抜き」を寺院に依頼する
  • 仏像がない期間は位牌や過去帳などをまつる
  • 仏像の修復が完成すると「お魂入れ」「開眼法要」を行う

完全修復は新しい仏壇を作る時と全く同じ工程で仕上げますので、仕上がり後は新品か、修復後か区別がつかない状態まできれいに美しくなります。

修復に出すタイミングはいつが良い?

仏像の修復のタイミングはいつが良いということはありません。修復に期間がかかる場合は次の年忌やお盆などの行事に当たらないように時間に余裕をもって出されることをおすすめします。

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