奈良県橿原市に浄土宗専用の京型の金仏壇を納めさせて頂きました。扉がちょうどよい具合に開くように仏間を先に測らせて頂いたうえで製作させて頂きました。あまり派手にならないように落ち着いたお仏壇がご希望でしたので扉の裏側は溜塗りに仕上げました。仏壇の顔である欄間は三人の天女が雲の中を飛んで極楽浄土の空を表している『雲天人』図柄を彫った上から本金粉を蒔きました。。天井と屋根は寺院の本堂を模して折り上げ格天井、一重破風屋根で仕上げました。浄土宗のご本尊である阿弥陀如来は先祖代々お祭りされていた立派な木彫りの仏像を洗い、塗り替え、本金箔押しをして安置しました。両脇には法然上人と善導大師の本金箔彩色付きの木彫りの仏像を安置しました。浄土宗は正式には木魚とカネ、おりんの三種類の鳴り物をお経を唱えるときに使用します。昔からの立派な旧家のお家なので江戸時代から続くご先祖様の位牌がたくさんあり、それを繰り出し位牌にまとめさせていただいて仏壇内部がまとまりました。ヨーラクや吊り灯篭、幢幡瓔珞の三種類の仏具を天井から吊るし仏壇内部を荘厳に飾っています。線香立てやローソク立てなど仏具をゆったりと置けるように経机のほかに寺院用の前机を設置しています。
橿原市:浄土宗 金仏壇
2017年6月19日